昔はプリント基板CADにeagleを使っていたのだけれど、最近はKiCadを使って作るようにしています。
KiCadのお勧めなところは以下の点。
- オープンソース。大きな基板も多層基板も無料で作れる。
- クロスプラットフォーム(Win,Mac,Linux)で動作。
- 3Dモデリング機能あり。
- あのCERN(SERNではない)が後ろについた(ソース)。
eagleと比べるとまだまだ資料は少ないのですが、それをメリットが上回ったので覚えていくことにしました。
インストール
昔はMac用のバイナリイメージをKiCad-jpで配布されていたのですが、現在は行われていません。 以下のフランス語のサイトからもらってくる必要があります。
2014/05/03時点での最新版はKicad-product-2014-02-26.zip
なので、これをダウンロードしてください。
容量は230MBほど。海外からのダウンロードなので結構時間がかかります。
ダウンロードしたものを解凍するとKicad
というフォルダが出てくるので、これを /Applications
以下にコピーしてインストールは完了。
ライブラリのインストール
ほかがどうなっているのかは知らないですが、Mac版はアプリケーションとライブラリが分かれて配布されています。
なので別途ライブラリのインストールが必要です。
ライブラリのダウンロードは先ほどと同じ場所にある Library-20-03-30.zip
をクリックすると開始されます。
ダウンロードしたものを解凍したらkicad
というフォルダが出てきます。
フランス語の説明を雰囲気で読むと、これは /Library/Application Support/
または ~//Library/Application Support/
に入れておけばいいらしいです。
今回は/Library/Application Support/
にインストールしました。
Kicadの起動
/Applications/Kicad/kicad.app
をダブルクリックすると起動します。
最近のMacはセキュリティのために開けないかもしれないです。 そんな時は右クリックメニューから開くと「ネットからダウンロードしたもので危ないかもしれないけどほんとに開いていい?」と聞かれて了承すると開けます。
Kicadの使い方
今回はインストールまでが対象なので、移行の使い方については割愛。
公式サイトの右カラムにチュートリアル - KiCadの基本的な使い方がのっているので、これを読めば既存部品でなにか作るぐらいならできます。
新規部品の作成方法はトラ技の記事や、個人ブログに載ってるのでそれを参考にすれば作れます。
3Dモデル含めた作り方は……わかりません。
他者が作ったライブラリの配布サイト等がどこにあるのかは、私も現在調査中です
(個人サイトでこっそり公開されているか、そもそもライブラリがgithub上で開発されているので、そこに追加されていっているのか……)。
追記しました。
おわりに
KiCadは今から勉強しておいて損はないと思います。
私も勉強中なので、利用者の間で色々情報交換ができるとうれしいなーと思います。
追記
Mac版はバギーだよというはなし
日本版公式から以下のような連絡を頂きました。
@tnishinaga Mac版はバグが多いので,まだあまりオススメできません・・. 仮想マシンのWindowsを使うか,WINEのほうがマシという話を聞きます.
— kicad.jp (@kicad_jp) May 3, 2014
確かにMac版は以前、線の移動が描画されなかったり…パーミションがおかしかったり…とありましたが、今のところ私の環境では正常に動いており、簡単な基板を1枚作ることも出来ました。
Wineや仮想マシンを通すとどうしても心理的距離ができてしまうので、問題が起こるまでもう少しMacで使ってみます。
実行許可付与のはなし
最近のMacはデフォルトだと、Mac App Storeからのアプリケーション以外の実行ができないようになっています。 そのため前述の右クリックで……という手順もできませんでした(私はすでに切っていたので忘れてました)。
こちらはKiCadのバグではなく、Mac側の設定の話です。
解除の方法は、まず設定
を開いて[セキュリティとプライバシー] - [一般] - [ダウンロードしたアプリケーションの実行許可]
のチェックをMac App Storeと確認済みの開発元からのアプリケーションを許可
またはすべてのアプリケーションを許可
にする必要があります。
なお、チェックの変更は、左下の鍵マークを押して認証をしないとできません。
後はkicad.app以外の.appファイルも、同様の方法で一度起動してあげないと動かないかもしれません。
ライブラリのはなし
ライブラリの公開サイトについて、KiCad.jpさまから情報を頂きました。
@tnishinaga この辺りを参照してください♪ http://t.co/pMHYikXhWx
— kicad.jp (@kicad_jp) May 3, 2014